IMPLANT
インプラント

インプラント治療とは
当院では、歯周病などで歯を失った際の治療の一つとしてインプラント治療をご提案をしています。インプラントは失った歯を補う治療の1つです。
インプラントが登場しておよそ30年経ち、
世界で年間1200万本*1設置されていますので、一般的な治療になっているといえます。日本はインプラント治療を受ける方の割合が、先進国の中で最も少ないとされています。治療のメリットがあまり知られていないように思われます。
インプラントはブリッジとは異なり、隣の歯を削る必要がなく、また入れ歯のような嚙みにくさもありません。天然の歯と同様に顎の骨がインプラントを支えますので、しっかり噛むことができます。見た目や噛み心地も本物の歯とほとんど同じで、他者から見てもインプラントをしていることはほとんど分かりません。
他の治療法、とくにブリッジに比べて圧倒的な利点がありますので、現代の歯科治療において、歯を失った場合の第一選択肢といえるでしょう。
1.Albrektsson T, Dahlin C, Jemt T, Sennerby L, Turri A, Wennerberg A. Is marginal bone loss around oral implants the result of a provoked foreign body reaction? Clin Implant Dent Relat Res. 2014;16:155‐165.
当院のインプラント
治療の強み
自費治療は医院によって、治療方針やレベルに大きな違いがありますが、インプラント治療は特にその傾向が顕著です。日本の歯学部では主に保険治療に焦点を当てており、免許を取ってもインプラント治療については基本的な知識しか得られません。インプラント治療の習熟が歯科医師の自己努力に委ねられているため、患者様にとっては信頼できる治療を受けるための判断が難しいと思われます。
当院の米国歯周病・インプラント外科専門医は、米国の大学病院で幅広いインプラント症例を経験し、知識・技術ともに米国歯周病学会から認められております。公的な団体から高いレベルの知識と技術を保証されているため、他院の歯科医師からのインプラント関連の相談を受け、修正手術を行うこともあります。
日本では保険治療が主流であるため、インプラント治療の件数は他の先進国・中進国に比べて極めて少ない状況です。そのため、インプラント治療の新技術や知識は欧米発のものが全てと言えるような状況です。当院では、急速に進化するインプラント技術や新たな術式について常に学び、海外の情報を取り入れています。アップデートされた治療を提供していますので、安心してご相談ください。
技術更新への取り組み
新しい技術・知識に触れて、治療内容をアップデートしています。インプラントは治療内容の進化が著しく、数年で治療の方針が変わることも珍しくありません。
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台湾歯周病学会では日本臨床歯周病学会からの派遣で、主賓として講演しました。
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シンガポールでインプラントに特化した学会へ参加。プライベートレッスンに複数参加しました。
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海外のドクターやインプラントの開発者と直接情報交換をしています。日本に入ってきていない最新機器にも触れるようにしています。
インプラントのメリット
天然歯で嚙む感覚を取り戻せる

インプラントにすることによって、「自分の歯と同じような感覚でしっかりと噛む」ことが可能になります。
自分の歯を失って入れ歯にした場合は、違和感や食べ物が入れ歯に挟まる問題が出てくることもあり、「しっかりと噛めない」と悩んでいる方も珍しくありません。近年、中国の大規模データで、歯が揺れて噛みにくい状態が続くと、炭水化物や脂質の量が増えてしまい、果物や野菜の摂取量が減っていくことが分かっています。噛みにくい状態の方は、インプラント治療によって食生活を改善できる場合もあります。
歯が揺れて、お刺し身などが食べにくい方も多いのではないでしょうか?しっかり咬むという面で非常に有効な治療だと考えております。
自然な見た目

インプラントは見た目の美しさ、つまり審美的に優れていることも大きなメリットです。
保険適用の差し歯の場合はどうしても色味が不自然になってしまったり、入れ歯の場合は笑ったときに金具が見えてしまったりするケースもあります。一方、インプラントの人工歯部分にはセラミックやジルコニアなどが使われることも多いため、条件が良ければ、ほぼ天然の歯と同じような、自然で美しい歯が手に入れられます。
術後の痛みが少ない

ネジの形から抵抗を感じる方もいらっしゃるようですが、術後の痛みは非常に少ない治療です。歯科の外科処置のなかでは、比較的に痛みを含む合併症が少ない治療とされています。親知らずの抜歯が47.3%の術後合併症があるのに対し、インプラントはわずか9%とされています。これは実際の患者様の反応とも一致しており、歯科の外科治療の中では痛みが少ない手術と考えています。
Askar H, Di Gianfilippo R, Ravida A, Tattan M, Majzoub J, Wang H. Incidence and severity of postoperative complications following oral, periodontal, and implant surgeries: A retrospective study. J Periodontol. 2019 Nov;90(11):1270–8.
Greenstein G, Cavallaro J, Romanos G, Tarnow D. Clinical Recommendations for Avoiding and Managing Surgical Complications Associated With Implant Dentistry: A Review. Journal of Periodontology. 2008 Aug;79(8):1317–29.
他の治療法との比較
インプラント
特徴 | 人工歯根を顎骨に埋め込む自分の歯のような噛み心地・見た目 |
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見た目 | 自分の歯のように美しく、自然な見た目 |
噛みやすさ | しっかりと噛める |
健康な歯への負担 | 他の歯を傷つけないので他の歯への負担はほとんどない |
治療期間 | 外科手術を伴う治療のため、長くなる場合がある |
保険/自費 | 自費 |
入れ歯
特徴 | 取り外しができる 手軽に治療ができる |
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見た目 | 種類によっては固定するためのバネが目立つ場合がある |
噛みやすさ | 安定しないことが多い |
健康な歯への負担 | 固定するためにバネをかける 歯に大きな負担がかかる |
治療期間 | 比較的短期間で治療を終えることが可能 |
保険/自費 | 保険適用(素材によっては自費) |
ブリッジ
特徴 | 失われた歯の両隣の歯を削り左右の歯に被せて装着する |
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見た目 | 金属を使用しない場合は自然な見た目を実現できる |
噛みやすさ | 比較的安定した噛み心地 |
健康な歯への負担 | 健康な歯を大きく削る必要がある 歯の寿命を縮めてしまう可能性がある |
治療期間 | 比較的短期間で治療を終えることが可能 |
保険/自費 | 保険適用 |
当院のインプラント
治療のクオリティ
米国歯周病専門医によるインプラント治療

米国での歯周病専門医の仕事の半分は、インプラント関連の治療になります。インプラントをこの部位に入れてほしいと、一般開業医から依頼されるパターンが多いです。専門医に依頼が集まる理由として3点ほど考えられます。
- 歯を残すかインプラントにするか、の判断は歯を残す技術の高い歯周病専門医が行うべき
- 歯周病を治してから、インプラントを設置しないとインプラントが感染してしまう
- インプラントを設置するために歯肉や歯槽骨を作る必要があり、歯周病専門医が最も得意とする技術である
当院の目指すインプラント治療

専門医資格を有していますので、それに見合うクオリティの治療を目指し、以下の4つの点を意識して治療を行っています。
- 残せる歯を抜いてインプラントに置き換えることはしない
- 長期のデータに基づいて、長年もつインプラント治療
- 痛みの少ない術式
- 最新の学識を反映した治療計画
インプラント周囲炎への
取り組み
インプラントの最大の敵はインプラント周囲炎

インプラントはまるで自分の歯のように機能する優れた治療法ですが、適切なケアを行わないとインプラント周囲炎という炎症が起こることがあります。歯周病と同様に歯垢や歯石がインプラントの周囲に付着し、炎症を引き起こすことで周りの骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
周囲炎を避けるための、専門医による工夫

当院ではインプラント治療の前に歯周病を徹底的に治療し、口腔内を清潔な状態にします。そしてインプラント周囲炎のリスクを低減するために、デザイン性に優れた、より安定性の高いインプラントを使用しています。さらに、患者様ご自身でも簡単に清掃できるようにインプラントの位置や形状にも配慮しています。
周囲炎への対応実績

他のインプラント専門医によって設置されたインプラント。手術後から骨が吸収し炎症を起こしていた。
骨を回復させる手術を行い、適切な位置に周囲炎に強いインプラントを設置。
(費用は依頼医が負担したため発生せず。)
万が一、インプラント周囲炎になってしまった場合でも、あきらめる必要はありません。当院ではインプラント周囲炎の治療にも豊富な経験があり、他の歯科医院から紹介されるケースも少なくありません。インプラントの周囲から悪臭がしたり、膿が出たりといった症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
GBR手術 インプラント埋入x 2 遊離歯肉移植術(臼歯部)
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BEFORE
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AFTER
治療内容 | 長期の入れ歯の使用で、骨も歯肉も痩せてしまっている状態でした。骨を増やす処置(GBR)を行い、インプラントを設置後に歯肉を増やす処置(FGG)をおこなっています。歯の色は患者様のご希望で少し明るめにしていますインプラント設置に十分な量の骨を作るには、骨を作る材料への深い理解と、経験が必要です。適切な材料選択に加えて、患者様がしっかりと術後指示を守ってくださったので満足の行く量の骨が造成できました。インプラントが周囲の組織に守られることで長期の安定が望めます。 |
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治療期間・治療回数 | 12ヶ月・5回 |
治療費用 | ¥1,227,700 (税込) |
リスク・副作用 | 出血、腫脹、疼痛、青あざ、下歯槽管の損傷によるオトガイ部麻痺、咬合時の違和感、インプラント周囲炎、補綴物の破折・脱離、インプラントが定着しない可能性 |
左上切歯のインプラント治療 歯肉移植(前歯部)
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BEFORE
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AFTER
治療内容 | 左上前歯の根が破折し感染が起こった患者様です。歯が割れたことで歯肉にニキビのような膨らみができています。抜歯の必要があったため、抜歯と同時にインプラントを設置しています。歯肉が薄く、将来思わしくない見た目になる可能性がありましたのでインプラント部と右側の前歯へ歯肉の移植を行い、歯肉のラインの調整を行いました。 自然な見た目のインプラント治療を行うためには、白い歯の部分を美しく作るだけではなく、ピンク色の歯肉組織も自然な見た目を回復する必要があり、知識と経験がもとめられる治療です。 インプラントの白い歯の部分は、見た目を総合的に考えてやや左右非対称にしています。また、将来的にホワイトニングを予定されていましたので、色は白を強くしています。 |
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治療期間・治療回数 | 4ヶ月 1回 |
治療費用 | ¥680,900 (税込) 別途 歯肉移植 ¥38,500 (税込) |
リスク・副作用 | 審美障害、出血、腫脹、疼痛、青あざ、咬合時の違和感、インプラント周囲炎、補綴物の破折・脱離、インプラントが定着しない可能性 |
歯を全て失ってしまった
方でもできる
All-on-4
(オールオンフォー)
ボーン・アンカード・
ブリッジ

歯をすべて失ってしまった方や、多くの歯を失ってしまった方が、少ないインプラントの埋入で総入れ歯を固定する治療方法です。すべての歯をインプラントに置き換えるのではなく、4〜6本のインプラント体をバランスよく骨に埋入することにより、その上に沿う入れ歯を固定できます。
All-on-4(オールオンフォー)は商標ですが、治療名として広まっています。
埋入本数が少なく済むので、患者様の身体への負担はもちろん、時間と金銭面の負担も軽減することが可能です。
状況によっては非常に効果的な場合がありますので、選択肢としてご提案させていただくことがございます。
下顎のインプラント ボーン・アンカード・ブリッジ、上顎金属床義歯
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BEFORE
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AFTER
主訴 | インプラントを入れたい |
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治療内容 | 入れ歯が動いて噛みにくいため、インプラントを使用した治療を希望された患者様です。ベストな治療を目指し、米国補綴専門医と共同で計画を立てました。 上顎には骨が十分になかったため入れ歯を作成し、下顎にはインプラントを4本設置して、手術当日に仮歯を装着し、その日から食事ができます。長期にわたって使用していただくため、通常のインプラントより生存率が高いとされているティッシュレベルのインプラントを使用しています。インプラントと上に乗る義歯のスペースを少し開けることで、患者様がご自身で清掃できるように調整いたしました。 インプラントの位置によってインプラントの生存期間が左右されます。術前からしっかりとプランニングを行うことで、左右対称で理想的な位置にインプラントを設置できます。 |
治療期間・治療回数 | 施術1日 (フォローアップ 7ヶ月) 7回 |
治療費用 | ¥4,675,000 (税込) |
リスク・副作用 | 腫脹、疼痛、術後感染、下歯槽管の損傷によるオトガイ部麻痺(事前に骨を増やしているので比較的 リスクは低い) |
インプラント治療の留意点
- 手術を伴うため、治療中に身体に負担がかかる場合があります
- 複数の段階を経て治療を進めていくため、治療期間が長くなります
- 見た目や噛み心地に違和感を感じる場合があります
- 術後には、痛みや腫れ、出血などの症状が出る可能性があります
- 治療後も、定期的な検診とメインテナンスが不可欠です
インプラント治療の費用
歯科用CBCT・分析 | ¥16,500 |
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手術用ガイド | ¥38,500 (1歯につき追加料金 ¥3,000) |
インプラント手術費・ ジルコニア補綴 (ストローマン) |
¥440,000 ※骨が不十分で骨造成が必要になる場合、骨造成12〜15万の追加費用が必要になります。 |
All-on-4(オールオン4) | ¥ 3,100,000〜3,600,000(使用材料によって変動) ※骨が不十分で骨造成が必要になる場合、骨造成12〜15万の追加費用が必要になります。 |
※数万円程度価格を抑えたセカンドラインの
インプラントも導入しております。
1~2本のインプラント治療の期間、治療回数
治療期間の目安 | 60日~120日(骨造成しない場合) |
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治療回数の目安 | 5回〜10回 |
治療後の
メインテナンスが
インプラントの
長期使用に必須です

チタン製のインプラント体は顎の骨と結合する性質があるので、ずれたり抜け落ちたりするリスクがほとんど生じません。しかし、メインテナンスを怠ると、歯と同じく炎症が起こりインプラント周囲の骨が溶ける可能性があります。
当院では長期に安定するインプラントを使用していますが、メインテナンスなしでは安定使用は難しいと考えています。治療後も歯科医院で定期的なチェックを行い、お口の中をいつも清潔な状態に保つことが大切です。(インプラント治療後は保険治療ではなく自費のPMTCが必要になります。)