COLUMN

インプラント・ボーンアンカードブリッジの再設計|周囲炎リスク低減を目指した補綴リメイク

インプラント・ボーンアンカードブリッジとは?

ボーンアンカードブリッジとは、インプラントを使って顎の骨に固定するブリッジタイプの補綴物を指します。
英語ではBone Anchored Bridge(骨固定ブリッジと表記します。

インプラントの上に「補綴物(ほてつぶつ)」と呼ばれる被せ物や入れ歯が乗りますが、設計によって清掃のしやすさや、インプラントの寿命に大きな影響を及ぼします。
いわゆる「オールオン4」や「オールオン6」治療も、ボーンアンカードブリッジの一種です。

治療の段階から清掃性やメンテナンス性を考慮することが、インプラントを長持ちさせるためには非常に重要です。

症例紹介

治療までの経過|旧補綴物の問題点

患者様は、他院にて設置されたボーンアンカードブリッジを使用されていました。補綴物の歯肉の一部分が欠けていたので来院されたのですが、、ブリッジ下面が凹んだ形状になっており、汚れがたまりやすい形状でした。
その結果、清掃が困難となり、インプラント周囲炎のリスクが高まっていました。補綴物の修理で対応するよりも、根本的に補綴物を作り直すこととなりました。

6本のインプラントで補綴物を支えています。歯と歯肉の一部がかけてしまったため、補綴物自体も古く再制作することになりました。
6本のインプラントで補綴物を支えています。歯と歯肉の一部がかけてしまったため、補綴物自体も古く再制作することになりました。
補綴物を外しましたところ、インプラントは最適な場所というより骨が多い部分に入れられていました。

補綴物を外しましたところ、インプラントは最適な場所というより骨が多い部分に入れられていました。
補綴物を取り外したところ、裏面に真っ白いプラークがびっちり付着していました。

補綴物を取り外したところ、裏面に真っ白いプラークがびっちり付着していました。

治療アプローチ|補綴物の再設計

今回の治療では、補綴物の形態を見直し、できる限り汚れがたまりにくい設計へとリメイクを行いました。
また、清掃器具(歯間ブラシやスーパーフロス)が届きやすいスペースも確保しています。

これにより、患者様ご自身でもメンテナンスしやすくなり、周囲組織の健康維持が期待できる設計に変更しました。

仮の歯を作成しました。このまま再制作しても同じ問題が再発する可能性がありました。
仮の歯を作成しました。このまま再制作しても同じ問題が再発する可能性がありました。
外科処置も併用して、最終的に磨きやすい形態の補綴物を製作しました。

外科処置も併用して、最終的に磨きやすい形態の補綴物を製作しました。

治療後の改善点

リメイク後は、ブラッシングや補助清掃具の使用がスムーズになり、清掃状態が大きく改善しました。定期メンテナンスにおいても、プラークの残存がほとんど見られないのでインプラント周囲の組織が健康な状態を維持できています。

ご自身での清掃が容易になり、インプラント周囲炎リスクが大幅に減少しました。清潔な状態を維持できています。
ご自身での清掃が容易になり、インプラント周囲炎リスクが大幅に減少しました。清潔な状態を維持できています。

患者様からも「以前よりも掃除がしやすくなった」というお声をいただきました。

まとめ

インプラント治療においては、手術だけでなく、補綴物の設計とその後のメンテナンスが成功のカギを握ります。特にボーンアンカードブリッジのような複雑な補綴物では、清掃性の確保が極めて重要です。

今回の症例を通じて、リメイクによる清掃性向上とリスク低減が可能であることを改めて実感しました。
今後も患者様のインプラントが長期にわたって良好な状態を保てるよう、最善の治療計画をご提案していきます。

*症例について
治療期間・治療回数:施術5回(補綴再製作・骨整形)
治療費用:¥1,100,000(税込)
リスク・副作用:インプラント周囲炎リスク、補綴物破損リスク、外科処置を併用する場合には腫脹・疼痛・術後感染などのリスクが伴う場合があります。

文責:藤井貴寛(ふじい たかひろ)
Diplomate of the American Board of Periodontology
アメリカ歯周病・インプラント外科 ボード認定専門医

▶ 下関市在住なら近隣の専門医でインプラント治療を受けるべき理由|メンテナンスの重要性も併せてご覧ください。

TOP