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インプラントは誰がやっても同じか?|位置が悪いと炎症を起こすリスクが48.2倍

「インプラントはネジだから、誰が入れても同じでは?」患者さんから、そして時には歯科医師同士でも、そんな言葉を耳にします。

確かに、骨が十分にあり、理想的な条件がそろっている部位であれば、インプラント自体は「入れること」はできます。しかし、それが長く持つかどうか、将来トラブルを起こさないかどうかは、まったく別の話です。

インプラント治療で本当に問われること

インプラント治療で重要なのは、「その日に入ったかどうか」ではありません。

  • 細菌が溜まらずに炎症を起こさない設計になっているか
  • 万が一トラブルが起きたとき、リカバリーできるか
  • 清掃性や力のかかり方を含め、長期的に管理できるか
  • 複数の歯が欠損している場合、本当にその本数が必要か

といった、将来を見据えた判断です。

もともと歯があった部分に、インプラントを設置するのが基本です。写真は抜歯直後にインプラントを設置。(抜歯即時インプラント)

インプラントは「ネジ」だからこそ、設計思想がすべて

インプラントは生体ではありません。一度入れた位置を、後から簡単に変えることができない人工物です。そのため、清掃器具が届かない位置に入れていないか、将来、骨が吸収したときに治療全体が破綻しないか、インプラントの被せ物が無理のない設計になっているかを、埋入前から考えておく必要があります。

実際、インプラントのポジションが不適切な場合、インプラント周囲炎のリスクが48.2倍に上昇するという報告があります。これは、術後のケア以前に、最初の「位置決め」でインプラントの生存率が大きく左右されることを示しています

すでに骨があったり、骨を人工的に作った場合でも同じです。歯があるべき場所に正確に、インプラントを設置することがインプラントの寿命を伸ばします。

「年間◯本入れている」は、残念ながら評価基準になりません

以前、50歳前後の歯科医師から「年間200本は入れている」と豪語されました。

しかし、症例写真を見て、正直に言えば愕然としました。将来トラブルが起こることが予測できる位置に、そのままインプラントが入れられていたからです。手術を続ければ、経験本数は増えますが、評価や指導といったフィードバックを受けなければ上手くはなりません。

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当院のインプラント治療について|アメリカ歯周病・インプラント外科 ボード認定専門医による診察

本当に価値のあるインプラント治療とは

当院では、アメリカ歯周病・インプラント外科専門医が、長期予後を最優先に、次の点を含めて治療計画を立てています。

  • 抜歯すべきかどうか
  • インプラントが本当に必要か
  • 何本が適切か
  • 将来トラブルが起きた場合にどう対応できるか

米国の歯周病・インプラントの研修医課程では、すべての外科処置に専門医の評価が入ります。インプラントの位置が本当に適切かを常に問われる中で学んできたからこそ、当院ではインプラントに感染が起こりにくい設計を心がけています。

インプラントは高額な治療です。だからこそ、「入るかどうか」ではなく、「長く付き合えるか」を基準に、治療を選ぶことをおすすめします。

参考文献

Wang H, Avila‐Ortiz G, Monje A, Kumar P, Calatrava J, Aghaloo T, et al. AO/AAP consensus on prevention and management of peri‐implant diseases and conditions: Summary report. Journal of Periodontology. 2025;96(6):519–541.

文責:藤井貴寛(ふじい たかひろ)
Diplomate of the American Board of Periodontology
アメリカ歯周病・インプラント外科 ボード認定専門医

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