COLUMN

米国歯周病専門医によるインプラント設計|周囲炎リスクを最小限に抑えるために考えるべきこと

米国歯周病専門医が考える「インプラント治療における術中判断の重要性」

私はアメリカ・インディアナ大学歯学部大学院(Graduate Periodontics Program)にて、インプラント治療における骨吸収と補綴設計について研究を行いました。
卒業研究では、100本以上のインプラント症例をレントゲン分析し、インプラントの設計や埋入深度が周囲骨の健康に与える影響を検証しました。

この研究経験は、現在の臨床において、インプラントを長く守るための計画と手術を行ううえで大きな支えとなっています。

論文を書く中でも大量のインプラント関連の論文を読み込みました

インプラントの位置と補綴設計の重要性

インプラント治療において、上に装着される歯(補綴物)の形態は非常に重要です。補綴物の清掃性が悪いと、プラーク(細菌の塊)が溜まりやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。

そして、この補綴物の形は、インプラントの埋入位置によって大きく左右されます。適切な位置にインプラントが埋入されていなければ、その後に設計する補綴物も清掃性に劣る形になってしまい、長期安定性が損なわれる可能性があります。

正確な位置にインプラントを埋入することが、将来のインプラント周囲組織の健康を守るために欠かせない第一歩です。

術中判断の重要性|知識と経験が結果を左右する

インプラント治療では、あらかじめ立てた治療計画に沿うだけではなく、実際の手術中に骨の状態を見極め、最適な埋入位置・深度を判断する力が求められます。

近年は、手術用ガイドやシミュレーションソフトによる治療計画が普及していますが、ガイドに従うだけでは、実際の骨の質や形態に適応できない場合もあります。術中の柔軟な判断と微調整ができることが、インプラント治療成功のカギとなります。そのためには、深い知識と豊富な臨床経験が不可欠です。

私は米国歯周病学会(AAP)ボード認定医として、10年後、20年後を見据えたインプラント治療を行うことを常に心がけています。

日本の専門医制度とインプラント治療の現状

日本では、残念ながらインプラント治療に対する専門医制度が十分に整備されていないのが現状です。そのため、近年設置されたインプラントであるにも関わらず、時代遅れな清掃性の悪い補綴設計が行われているケースも散見されます。

インプラント治療は進化し続けており、毎年のように新たな知見が英語論文として発表されています。インプラントを成功させるためには、術者が最新の知見を学び、治療に反映させる姿勢が欠かせません。

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まとめ

インプラント治療は、単に人工歯根を埋入するだけではありません。正しい知識と術中判断による適切な埋入、そして長期安定性を見据えた補綴設計が揃って初めて、インプラントの長期成功が実現します。
当院では、米国歯周病専門医として培った科学的根拠に基づく治療を提供しています。インプラント治療をご検討中の方は、ぜひご相談ください。

文責:藤井貴寛(ふじい たかひろ)
Diplomate of the American Board of Periodontology
アメリカ歯周病・インプラント外科 ボード認定専門医

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