COLUMN
コラム
コラム
高齢者でも「歯は白くていい」|アジア人に似合う美しい白さとは?

私はアメリカ・インディアナ州の大学院で、歯周病とインプラント治療を専門に学び、現地で多くの患者さんの治療も行ってきました。現地は白人が多く、MAGA帽をかぶったトランプ支持の患者さんも珍しくありません。人種的な偏見を受けるのではと最初は不安もありましたが、むしろ日本人ということで好意的に接してもらえることが多かったのが印象的でした。
安倍元総理がトランプ大統領との関係構築に腐心した影響もあるのか、日本人というだけでプラスに働いていたのではと感じています。
そうした環境で日々患者さんと接している中で、特に印象的だったのが「歯の白さ」に対する意識の高さです。たとえば、トランプ元大統領(2025年現在で70代後半)やトム・クルーズ(60代)などは、高齢であっても非常に白く美しい歯をしています。しかし、それが不自然に見えない。むしろ若々しく健康的な印象を与えているのです。
年齢を重ねても「白い歯」が似合う理由
皮膚や髪とは異なり、歯は骨と同じく「硬組織」であり、年齢によって大きく形や色が変わることはありません。そのため、歯並びや色が整っていれば、年齢にかかわらず自然で清潔な印象を保ちやすいのです。
また、日頃から3ヶ月ごとの歯科医院でのメンテナンスを欠かさず、しっかり噛める食生活を送っている方は、高齢になっても美しい歯並びを維持しておられます。そうした方を見ると、「年齢を重ねたら歯はボロボロになって当然」とは限らないことがわかります。
トランプ大統領のように歯が白くても大きな違和感を覚えないのは、現実にそうした人が存在するという事実があるからです。
「白すぎる歯は不自然」? アジア人に合う美しさとは
日本では「白すぎると不自然」という印象を持たれる方もいらっしゃいますが、実際にはそうとも限りません。私が米国で担当したアジア人の患者さんの中にも、明るめの歯の色のジルコニアで治療を受けられた方がいらっしゃいました。最初は違和感を感じましたが、対面してみるとむしろ明るく若々しい印象を受けました。
「アジア人だから白い歯は似合わない」という思い込みではなく、その方の雰囲気や希望に合わせて色を選ぶことが大切です。

米国では広告でこのような笑顔の画像を目にする機会が多いため、アジア系も白人のような歯の白さを目指すと考えられます。
ただし、1本だけ白くするのは逆効果です
ここでひとつ注意しておきたいのは、1本だけ白くすると、周囲の歯と色が合わず、かえって不自然に見えてしまうということです。
今回のような「明るく美しい白さ」の話は、複数本を同時に治療する場合にこそ有効な考え方です。1本だけの被せ物をやりかえる場合は、周囲の歯と自然に馴染む色味に調整する方が、見た目のバランスが整います。
ホワイトニングやラミネートベニアなどで全体の明るさを整える方法もありますので、ご希望があればご相談ください。
まとめ:歯の白さは、年齢に関係なく前向きに選べるもの
「なんとなく不自然かも」「もう年だから」とためらっていた方は、歯を白くする選択肢ももたれてもよいのではないかと思います。見た目の印象が変わるだけでなく、笑顔にも自信が持てるようになるはずです。
文責:藤井貴寛(ふじい たかひろ)
Diplomate of the American Board of Periodontology
アメリカ歯周病・インプラント外科 ボード認定専門医
関連する症例紹介
▶ インプラント症例:前歯部の審美性と機能性を両立したケース
▶ 審美補綴症例:自然な白さと調和を追求した前歯の治療
